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「ちどり」という着物屋さんを始めました。

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ハレの着物、ケのお顔

タイトル

タイトル
松本城はこの角度で!

この春、開業前の六本木ヒルズや近場でいろいろと桜を楽しんだ。しかしなにか物足りなかったので、桜を追う旅を敢行してみた。初日は松本、次の日は長野、北上しながら松本城と善光寺を拝もうというハラですよ。松本といえば城下町、城下町と言えば町娘(董のたった娘ですが)、町娘といえば着物、というわけで道中いろいろと気になる場所もあったので洗える着物で出かけた。

さて道中の気になる場所とは、食べ物屋さんなどではなく、汚れそうな場所のこと。まず行きの特急スーパーあずさの座席。背もたれで帯がよごれそう、座席の下の部分で裾が汚れそう。松本城で汚れそう(あんなにきつい階段だとは思いませんでしたが)。その他いろいろバサバサと歩いているときに、汚れそう。ということで、朝起きて、わーわーわーと一気に10分ほどで着付け、わーわーわーと移動し新宿駅から乗り込んだ。

その着物は、生地がポリエステルで、翡翠の緑地に菊が飛んでいるもので、インターネットで購入。着物というのは生地がしっとりしていて暖かいものだとおもっていた私にとって、宅配便の袋を破いて着物を取り出したときにその軽さに驚いた。届いたのは、4月の肌寒い日、袷の着物なのに夏物のワンピース程度の軽さなのだ。こんなに軽いの?とまず人妻さんに電話したくらいだ。着てみると、軽くて冷やッとする。肌着と長襦袢をつければちょうどいい温度になるけれど、背中のあたりがどうもスースーするような気がする。それでも、仕立て上がりで、規制のサイズとはいえ新品で、送料税込みで20000円でお釣がくるわけだから、おしゃれ好きには楽しい買物かもしれない。古着だっていいものは20〜30万するしね。
この菊の柄が気に入って買ったのだけど、姉夫婦にはすこぶる不評。姉曰く「柄が大きすぎる上に、おまえの背が高いもんだから、なんだかばかでかい着物人形が歩いてるよう」とのこと。姉じゃなかったら張っ倒すわよ(姉だからそう言ってくれるわけだけど)! 姉の旦那さんにいたっては、彼が知っている着物というのは、柔らかい生地の柔らかーいイメージのものだけなので、その柄にきょとんとしていた。きょとんとしたいのはわたしの方だよーと泣きたくなるじゃないかー。それはさておき。

さて、特急スーパーあずさは定刻通りに松本駅につき、まずは松本城へ。あの天守閣を着物でのぼる。あははは、それはもーギャグの域の話ですよ(参考:松本城公式ページ)
その日は午前中は晴れ、午後から曇ったり晴れたりにわか雨が降ったりと目まぐるしく天気がかわり、蒸したり突然からっとしたり。一日で何日分もの天気と温度と湿度を体感できて結論が出た。

ポリエステルの着物は、わたしは、何枚もそろえることはないだろう、と。

そのココロは、まず体温調整がうまくいかない。汗の逃げ場がない。ポリエステルの長襦袢とポリエステルの着物という、ダブルポリというのがまたまずかったのかもしれない。お手軽なのだけど、お手軽であればなんでもいいってわけじゃないんだと、脱ぐ時におもった。
ただ、この着物は、柄がとても気に入って買ったものだから、この着物自体を着なくなるということは絶対ないけれど。

其の後、同じオンラインショップで、木綿の着物をさっそく注文した。
着物を着ていて気になるのは、やはり無用な汚れをつけてしまわいないかということ。子どもたちと遊んでるとき、座敷席での食事中とか、着物着てでかけて「わーきれいねーすてきねー」と人に誉めていただくのはとても嬉しいのだけどベタベタ触られるのはちょっと・・・・とか。
そのような現代生活においてですね、着物を自分で 洗えるということはほんとうに大きな利点。でも、洗える着物はポリだけじゃない、今度は木綿に挑戦だ! 長襦袢をきて、腰ひもでしめ、着物をきて、さらに腰ひもを2本、その上に帯、帯揚げ、帯〆としめるわけです、少しでも居心地のよい生地で楽しみたいもんですよ。

木綿の着物のできあがりがとても楽しみ。紺地に青灰色の龍がきしゃーっとうろうろしてる柄で、これを着て神宮球場に行こうかと思ってる。えへへ。そして低迷する名古屋の球団をですね、えへへへ。
そうやって少しずつ身近な生地を試していこうと思う。夏に向けて、長襦袢も天然の素材で揃えていきたい。もー長襦袢クラスだったら、いちいち買って仕立てもらうのがめんどうくさいから和裁習っちゃおうかと思うくらいですよ。

2003.5.7

KIMONO MICHI −キモノミチ−着物道−きものみち−2003-2005