冬がきた、冬がきた、山にきた、松屋にきた、伊勢丹にきた。
着物の脇からひゅーひゅーはいってくる風も冷たい今日この頃、着物姉さんたちはどんな格好をしているのかしら? 今年の冬は、もう、コートを買わない、とココロにかたく誓った私。それは和服についても例外ではありません。コートってかさばるんだもの、畳めるものが欲しいんですもの。
和服でコートを着たくない理由は他にもあります。
脱ぎ着がちょっと面倒くさい。
どうせ着物を着るなら美しく(エロくともいう)羽織りたいし、美しく(エロくともいう)脱ぎたい。なのに、たぶん、コートを脱いだり着たりするとき、わたくし、おそらく、まちがいなく、もたもたすることでしょう。その瞬間のみっともない所作を公衆の面前で見せるくらいだったら、もうコートなんて着ないー、わわーん。他にも恥ずかしいことはいっぱいしてるのに、この見栄っ張りめ!
ということもあり、着たり脱いだりが絵になって(見栄っ張り)、暖かくて、洋服にも使えるものがよいなぁと思っていた矢先、百貨店の小物売場でストールたちに目を奪われる。道行きの上にストール・・・女らしくてよい絵かもしれませんのぅ。ののぅ。マント風のものもある。ストールの端にフックがあり、布がたっぷりとしている。ぐるぐる巻き付けることもできるから、風もそうそう入ってこないだろう、と物色してから一旦帰り、お買い物の相談を友達にする。
そしたら早速、「明日、ひとつ余ってるから、それ見てみない?」とご提案が。
翌日。
彼女が持ってきたのは、大きな三角形のストール様のマント。ファーもついていて、たっぷりとした布面積は体を1.5周できるほど余裕がある。しかも洋装にも使えるので、「奥様、これをつつんでちょうだい」とお買い上げ決定。
「あのねぇ、ストールは優雅だけどねぇ、なにかで留めるかしないと両手がふさがって不便よ。肩からずりおちるしね」
目からうろこでした。。確かにそうでした。着物で外を歩くときは、いろいろ手を使う場面が多いのでした。階段を下りるときちょいと持ち上げ、上るときも持ち上げ、電車の中でつり革をつかむときは袖をちょいとつまみ脇が見えないようにしたり。確かに、手は空いてるほうがいい!
かような理由で、私は、今年はマントさんを着用することになりました。マントを羽織っていると、書生さん気分が増してきて具合がよいですよ。思ったよりもサイズが大きかったので、羽織を覆うくらいの丈があることもグッド!
ちょっとしたコートくらいのお値段だったことには、目をつぶりまして・・・。
2003.12.8
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