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「ちどり」という着物屋さんを始めました。

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タイトル

いよいよ大島紬購入編。
龍郷柄
奄美大島には、大島紬村という観光スポット兼お買い物エリアがございます。大島紬の糸を作るところから、泥田、織り方など、すべてを見ることができ、料金を払えば大島の試着も出来、最後にお買い物エリアにお招きいただける、という施設です。
ここには、見たことのない織物が、「こ・・・・こんなに一度に見られませんーっ!」というボリュームでたくさんあるのです。大島紬の振袖とか、泥染めの大島の上に色をふんだんに使った花が散っているようなものとか。色を使わず大人っぽい織柄の白大島もたくさん。 ちょっとほしいなぁと思いつつも、全体的な華やかさから買うのをやめたものが一枚ありました。それは、藍大島に大き目の雪輪が飛んでいるもので、その雪輪のまわりに金の粉がふりかかったようなデザイン。これは色っぽかったのだけど、普段にはなかなか着られないものだったので却下。 代表的な古典柄「龍郷柄」や、上のような華やかな訪問着やらいろいろ。普段使いのものもあります。お値段は6万、12万、20万、28万、38万、それ以上・・・といった感じでした。男物もいくつかありました。
龍郷柄の「龍郷」とは、奄美大島の龍郷町で織りはじめられたものだと聴きました(違ってたらじゃんじゃんご指摘ください!)。たとえば右上の写真だと、赤いのはソテツの実、実を囲む斜線はソテツの葉。なんとなくハブの目を思わせる柄など、古典的であり素朴であり、土地のあたたかみと歴史が感じられる柄です。岸田今日子さんとかに似合いそう。東京の呉服屋さんに言わせると、「奄美の大島は、鹿児島の大島に比べてちょっと野暮ったい・田舎っぽい」ということらしいのですが、土地のものとしてはなかなか魅力的なデザインのものが多ございました。
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さて、私が大島を買ったのは名瀬市内の呉服屋さん。
ホテルの近くの商店街入り口に、反物百本くらいずつ積んだお店が何軒かあるのです。案外日曜定休のお店が多いので注意。
おみやげ物屋さんのノリで、ちょいと入っていくと「あわわわわーっ」という大島紬の嵐。どこもそんなに大きくない間口のお店なのに「あわわわわーっ」という着尺キャンプファイヤー状態! 着尺キャンプファイヤーとは、反物を5〜6本ずつ縦横に積み重ねて並べてある状況。10万以内のお手ごろな機械織りのものを積んだキャンプファイヤーと、10万から30万くらいの純泥染めの手織りの大島を積んだキャンプファイヤーの二つの山がございました。
機械織りのほうは、秋名柄という大き目の幾何学模様の柄のものや、格子やら、手軽に毎日着られそうなものがありました。男物だと、亀甲柄、西郷柄(西郷どんに由来してるのでしょうか?)、有馬柄といった柄のラインナップ。
10万からのほうは、あぁたっ、総絣やら、7マルキやら、9マルキやら、地空きやらいろいろございましたが、全部にもちろんのこと、「地球印」の本場大島紬の証紙がついているのですよっ!(あ、もちろん、大島紬村のにもついてますよ) 
こちらの山には、松屋銀座のきもの市の特選コーナーで20万くらいのお値段で売り場に並んでいそうな、モダンな柄のものがありました。たとえば、市松模様に松竹梅をあしらったものとか、地空きに雪輪とか、地空きに松とか(地空きに松、ちょっと格好良かったんですよ、ただ同じ値段で7マルキだったからやめたけど)。

趣味があえば、ここで、買うのは本当にお買い得です。  
ついでにいうと、お仕立てが、安い。
胴裏・八掛あわせても、ちょっとお安い。
さらに、そのお仕立て、大島紬ばかりを仕立ててる方たちの手によるので、「慣れてるから大丈夫よ」とのこと。

かような理由で、地空きの雪輪の大島紬、9マルキさんを買い求め、お仕立てもお願いしてしまいました。サイズを控えてなかったので、身長と体重と胸囲だけお知らせしました。「東京に戻ったら正確なサイズをファックスしますね」と伝えると、「うふふ、やだ、うち、ファックスがないのよぅ」とのこと、ぎゃふん! 結局戻ってから電話でお知らせすることに。そのお店に、あたしの好きな亀甲の男ものの匹がござぁして、ショウウィンドウのトランペットを眺める黒人坊やのような目で見つめていたら、そこのおじさん曰く「気に入ったんなら、あとで仕立ててあげるから、電話してよ。支払いは代引きでもなんでもいいからさ」とのこと。あぁー、なんだか、ゆるくて、いい感じでした。

大島紬の作られ方に続く! 意外と長引くなぁ、大島紀行・・・

2005.2.7

KIMONO MICHI −キモノミチ−着物道−きものみち−2003-2005