日本橋なんかを歩いていると、落語家でもない、芸人っぽくもない、商売人という風情でもない、職業不祥な男性が着物を着て歩いているのを見かけます。この前は、着物じゃないけど、ハットを被った三つ揃えの若い男の子も見かけましたから、あのあたりは大正・昭和を意識したおしゃれな男性が多いのかもしれません。
昨今、スローライフの流れにのっかるようにして、着物がブームになっているようですが、女子が着物を着るようになったら連れ合いの男子にも着せてみたいというもの。「着物が似合いそう!」と女性にいうと十分な褒め言葉になるけれど、同じ言葉を男性に向けると、御本人は複雑な気分になる方もいらっしゃるようですね。「腹がでてるとでもいいたいのか」「足が短いとでもいいたいのか」なんて思ってしまうかもしれません。「バカだねぇ、おまいさん、一緒の格好をしたいってだけでじゃないのさ」という素直な言葉も、怒ってる相手の耳には素通りしてしまうのかしら。そんなプンスカ男は、コスプレ家族を見習えーっ!ついでに大沢親分も見習えーっ! いや、それはさておき。
日本橋三越の呉服売場に、おもしろいものがありました。
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帯が短いが、気にしないで。 |
男性の浴衣コーナーにありました。帯につけるウェストポーチなんですよ、これ。ファスナーがついた袋のほうには、タバコを入れます。ほら、タバコって葉っぱがこぼれますからね。もうひとつのほうは携帯電話を入れるのです。タバコと携帯、確かに男子の必需品。浴衣を着てみたいがどんな袋を持ったらいいかわからない男性は、この帯とウェストポーチのセットで十分ですよ。私が男性だったら、多分買ってしまうと思います。信玄袋じゃ気恥ずかしいし、かといって吉田鞄で手ごろなものがあるわけでもないし。だったら日本橋三越特許(と、売場の人が言っていた)のこの帯+ウェストポーチのセットでよいのでは?
ほんとうに着物のときにもつ鞄って難しいです。近所を歩くときだったら竹カゴひとつで十分ですが、ちょっと遠出するとなると、もう少しキャパシティーが欲しくなる。ちなみに、旅行に着物を着ていったときは、帰りに着物道具一式をつめるため、プラダのスポーツバッグをさげていきました。あれ、お年を召した女性が見たら、変な姿でしたでしょうなぁ。
2003.5.30
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