わたしがなぜ、こんなにも着物にエネルギーを注いでいるのかというと、自分でもわかりません。洋服のワードローブと同じくらいの量を揃えようと当初は考えていたのですが、あっという間にそれを凌駕したような気がします。洋服については、ヨロコビ持続タイムが年々短くなってしまったので、「もーっ、毎年あれこれ考えて買うのはいやぁー」とお手上げ状態になったというのも事実。つまり、洋服に、飽きた、と。
洋服は楽しいのだけど。
お姉さんになったら、それなりのものを身に付けていたいものだし、みかけなりの判断をくだされることも多い。となると、あんまりやたらなものは身につけるわけにはいかない、さりとて流行のものばかり追うのにも疲れる、オーソドックスでしっかりしたものは一通り揃ってしまった。じゃぁ、しばらくいいかな、洋服は・・・、というのが現在の着るもの感。
しかし、洋服のヨロコビ持続タイムが短くなったのは、一日の2/3近くの時間を過ごしているこの麻布十番という街のせいではないだろうか! というわけで本編は着物関連の話はここでおしまい。
麻布十番のお洋服屋さんは、ローカルルール満載。『麻布十番でしか売ってない』奇妙な洋服がたくさんあるんですよ。かわいいんだけど背中に一切布がないとか、かわいいんだけど着ていける場所はパーティー会場のみ、とか、『ゴージャス』『キュート』『セクシー』『プリチ−』『なんだか妙にチープ』といったキーワードのいずれかにヒットするものしかないような気がする。
とにもかくにもOLさんや、カタイ仕事の自営業が、仕事先に着ていけるような機能的かつ合理的かつ女性誌に載ってるような洋服はナン・ナン・ナッシングー。地下鉄が通るまでは、陸の孤島だった麻布十番、新宿まで都バスだけで行こうとすると30〜40分かかるのはあたりまえ(でも、都バスって路線を覚えるととても便利よね)、銀座まででも20分、百貨店にわざわざ行くのも面倒臭い、てんで「まっ、近所だしこれでいっか」と買物を近場で済ませていた長年のツケが、今、キモノミチに私を駆り立てているといっても過言ではありません。
2003.06.06
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