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「ちどり」という着物屋さんを始めました。

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ハレの着物、ケのお顔

タイトル

冬支度第二弾。

一番上のものは決定した。道行もある。道行ってのはですねぇ、お坊さんがよく着ているような上っ張りで、外出時に着る上着です。襟の部分が角型に開いています。そこがいいという人もいれば、野暮ったいという人もいます。人の家に道行を着て行った場合、玄関で脱がないといけませんです。つまり、役割上はコートですね。人の家で脱がなくてもいいのは、羽織です。

というわけで、羽織がほしい、羽織がほしい。じたらばたらと羽織がほしい。
長い羽織と短い羽織がございまして、たけしの「座頭市」で死んだ目悪者野郎・岸辺一徳も着ていた長羽織。個人的には、昔の不良がお召しになった長い学生服のイメージが強いです。羽織の丈の長さには、スカートの長さのように流行がありまして、今は長羽織がはやっているんだそうです。ほほぅ。不良っぽいってことかしら。その長さというのはちょうど膝丈くらいが目安なんだそうです。

そんな羽織ですが、着ていると暖かいし、汚れ防止にもなるし、着物単品の姿より、なにか羽織っている姿ってのは本当に絵になるもんですから、あぁ、羽織がほしい、羽織がほしい、じたらばたらと羽織がほしい。

ある古着屋さんで羽織を羽織らせていただきました。
それは、膝の上まで丈がある長羽織で、「そのくらいの長さでちょうどいい。短かったら野暮ったいもの。」と強く進められましたが諸般の事情でそれは保留に。進めてくれた方は、きっと長い羽織の世代の方だったんでしょうね。

その後、別の古着屋さんに移動。自分の母親と年がそう変わらないようなお姉さんに、「羽織がほしいんだけど」と相談すると、あんたに似合いそうな丈のものがあるわ、と、奥からごそごそ持ってきてくださいました。はい、ここで着物を買わない人々、上の会話のポイントは「あんたに似合いそうな丈」ってことですね。柄やら雰囲気より、まずは丈が基本ってこと。確かに、着物の袖が縦横(裄と袖丈)が、羽織の袂の中にすっぽり納まらないと格好悪いですからのぅ。

そんなんで出していただいたのが、黒地に白の鹿の子絞りの羽織。お尻をすっぽり隠す程度の長さで、持っている道行の中にもおさまる丈。素敵な柄。あったかそうだし、紬にも小紋にも着て平気な柄。奥様、これを包んで頂戴と値札を見たら、5000円。やすぅーいぃー。状態もとてもよぃぃーぃー。お買い得だわー。

その羽織を包んでもらっている間、ほかの売り子のお姉さま(私の母とやはり同い年くらい)がやってきて、「あんた、男ものの羽織はどう?」と声を。「ぜったい好きそうだから、こっちも羽織ってみなさいよ、サイズは十分あるから」と真っ黒の羽織を出してくれました。「羽織れば長羽織になるしね」ということで、いそいそ羽織ってみたら、確かに長羽織という長さ。あら、黒の羽織ってかっこういいよぅ、不良っぽさがいいよぅ、お姉さん、これも包んで頂戴、と手をあげたとき別の事実に気がつき、ずがびーんとイカヅチが落ちてくる。

男の着物って、脇が詰まってる!!!!!

一瞬のズガビンの後、「あ、そういえば夏、浴衣男子とあったとき、脇が詰まっているのを見て驚いたんだっけ」と過去の事実を思い出す。確かにねぇ、なんの手入れもしてない有毛無法地帯をばさばさ見せるのも色っぽくないから、和服の神様が脇の下のところをつめちゃったんだろうねぇ。脇が詰まっている→脇から風がすーすー入ってこない→外を歩いていても暖かい、ということまで容易に予想ができました。すばらしきかな! 男羽織! 羽裏がまたなんか、こー、人に見せたくなるしぶーい柄なんですよぅ。
しめてニ枚の羽織でしめて壱万円のお買い上げ。

次に発生すると思われる問題は、足元の寒さだと思いますが、これで一応冬支度は整った、のか?

2003.12.8
タイトル

KIMONO MICHI −キモノミチ−着物道−きものみち−2003-2005