あい、キモノを着るようになって一年が経ちました。あい、この一年間で、考えが右に左に振り子が振れたものがございます。それは、キモノを着るときの、下着問題。ある人は、ノーブラと答え、和装ブラと答え、いつもと同じ下着と答え、また別の人はスポーツブラで、と答える、胸元の処理!
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ご覧、日経おとなのOFFを! 女優さんたちの胸元は、厚紙を巻いたかのような寸胴っぷり、そんなはずがあるわけないと雑誌を片手にまるめたところで、どこぞの着付け師が寸胴にやっつけているのは事実。ぬぬーん。殿方たちよ、帯を解いた先にあるのが、あの肩・胸・腰が一直線につながるような造形であると思っているわけではあるまいな。ぬぬーん。淑女たちよ、そんなまっつぐなラインを作ったキモノ姿で実際に街を歩くことができるのじゃろうか? わたくしが、あの補正バリバリレジェントな姿で、晩御飯を食べにここらへんを下駄で歩いているところを想像してご覧? なにか無理があるのではないかの? どうかの?
というわけで、一年着てみた疑問、「あなたはキモノを着るとき、どんな上の下
着をつけていますか?」を、知人にぶつけてみました。声は、12チャンネルの深夜のテレビショッピングでアテレコしてる外国人ダイエッターの声優さんのつもりでどうぞ!
二十代後半:キモノ屋店員さん。「私は、厚手のキャミソールよ。胸をぴたっと
押さえてくれるの。胸がそんなにないから、これで十分なの。帯の上に胸がのっかるようなことはないわ。ま、のっかるような胸もないんだけどね」。この発言をされた方は、身長165センチ、体重50キロくらいのほっそりとした女性です。厚手のキャミソールというのは、確かにわたくしも持っています。あれで済ませることができたら確かに楽だと思いまし、すっきりとした姿になると思います。しかし、残念ながら、あたしゃ胸がでかいんじゃよぅ。。。
四十代前半:キモノ友達。「いつもと同じ下着よ」。ぴしゃりと一言。彼女も胸
が大きいのだが、いつもゆったりとしたキモノ姿です。私の着付けをみると「きぅぅっとしすぎ」とたまに指摘されます。彼女は帯の結び方がうまいのかしら? 私もゆったりと帯結び、帯締め結びをしたら、もうちょっとマシに見えるのかしら? 少なくとも、胸下の影はなくしてしまいたい。
四十代前半:キモノ屋店員さん。「洋服のときと同じ下着です。補正すると確か
にすとんとしていていいんだけど、自分の体のラインじゃないから、着付けがどうしても不自然になるし、一日動いていると、どうしてもくずれてくると思うわ」。うむぅ、至言だ。。。
というわけで、柄タビーズ・白タビーズじゃありませんが、世の中には、補正ドンとノット・補正ドンの二つのキモノ姿があるのですよね。どっちがいいということはありませんが、なんぞのときに大事な方の前でキモノを脱ぐようなときに、補正ドンのままだといろいろな小道具がでてきて大変なのではないかしら。「あ、ここからタオルが。あ、こっちからは補正用のごっつい尻パッドが。あっ、あっ」、てなことになったら一大事! うむー、ここまで書いて今気がついたのだが、補正時には、殿方との有事は普通避けるのでしょうね。さすがにそれではあまりに興醒めでありましょう。
さて、その一大事はさておき、先日、都内百貨店で、和装ブラの現物を拝見しました。一枚くらい和装ブラがあってもよいと考えていたのですが、現物を見ると、これを自分のクロゼットに入れるにはちょっと抵抗が・・・。このゼッケンのような色気のない形状、だいたい自分の胸がこの中にきちんとおさまるのかどうか、このブラで歩く時、かえって不自然になるのではないか、だいたい有事の際(しつこい)にこのブラってのもあんまりだ、しかもなんだ、この値札の「7000円」という数字は。この数字がとどめとなって、膝がかっくんとしてしまい、結局買わずじまい。私は、しばらく、ハンロなどのワイヤレスブラ(インテル入ってんの?)でその場をしのいでいくことになりそうです。
胸の形を立体的に作らないブラを根気よく探していくのですね。
しかしですね、実際、有事の際に一番困惑するのは、帯板ではないかと思います。なんでまたあんな七五三みたいな浮れた柄のものが、妙齢の女の帯の中から飛び出してくるんでしょうか。もひとつ帯枕も。こっちもまた七五三っぽい。枕から飛び出したニ本の長い白いひもが、人に見られたくない下着っぽさ満載。あれは、Tシャツの襟から覗く、ブラの肩ひもと同じくらい、なんだか情けない。情けないくせにこのヒモがないと、キモノも着られないという重要さがまたむかつく。さらに、この二つの道具の「え? この程度の補正、デフォルトっすよ」という開き直った感じがまた小憎ったらしい。
2004.04.19
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