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「ちどり」という着物屋さんを始めました。

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タイトル

2004年7月6〜8日は入谷にて朝顔市が、9日・10日には浅草にてほおずき市がございまして、そのふたつにいってきました。


入谷の朝顔市。
恐れ入谷の鬼子母神で有名な入谷は今回初めて行った街。台東区の様子は全然わからず、地下鉄を出て、昭和通りと言問通りが交差する大きな交差点に出ると、すぐに市がひらかれている。 きっちり夏着物を着た若くてかわいらしいお母さんたちが二人、バギーを押しながら歩いている。暑いのに立派ですわ! あたくしは、平日だってこともあり、すっかすかに空気が入るワンピースでいきました。
私が想像していた朝顔市というものは、鬼子母神観音をまつってある真源寺のひろい境内一面に朝顔の鉢が並べられ、 てきやさんも出ていて、そりゃぁにぎにぎしくやっているものかと思っておりました。
実際は、えぇ、確かににぎにぎしいのですが、あまり広いとはいえない歩道に朝顔屋さんが軒をつらね、青いビニールシートを屋根がわりに、暑さぎっちぎちの空間。朝顔屋さんは車道にまで店をはり出しているものの、それでも歩道は人が二人並んで歩くのもちょっとしんどいくらいの幅。さきの着物のお嬢さんたちはこの狭い歩道の中をどうしているのだろうと、ココロから心配になる。

朝顔のほうは、それはそれは美しかった。 右の写真の、スモーキーな桃色の朝顔は、団十郎といって人気のある種類のようで、売るほうも得意げに「この鉢、団十郎が入ってるよ」と話しかけてくる。ひとつの鉢に四種類(多いのは五種類)の朝顔を寄せ植えした行灯づくりがほとんどで、中には背の高いジャスミンのような葉のつく『琉球朝顔』や、朝鮮朝顔なども並んでいる。私は、親に一鉢買って送ることにした。かあちゃん、園芸好きだから来年もきっと咲かしてくれることでしょう。一鉢2000円、送料710円。

歩いていれば男はみんな「社長さん」だし、女はみんな「お姉さん」と呼ばれる。「お姉さん、いい鞄持ってるんだから、朝顔くらい買わなくっちゃダメだよ」、そのかけ声には笑った 。売り子のお兄さんたちは前歯が3本ない人が数人いて、なんだか苦笑い。まつり仕様の粋なお姉さんたちの、まっさおなアイシャドーのかっこよさ。東京の下町を感じる。

次回への教訓としては、「朝顔のピークは午前5時〜6時、鑑賞目的でいくのならせめて午前9時前にはいっておきたいもの(私は午前10時についたのだけど、それでももう半分くらいしぼんでおりました)」「着物や浴衣で行けなくもないが、汚れてもいいものでいったほうがよさそう」の二点です。


浅草観音・ほおずき市。
混雑する前にと、湿気むんむんな土曜の朝・午前9時半に浅草駅着。その時間帯でもすでに浅草寺の仲見世にはたくさんの人が! 私は、綿麻の縞の浴衣(縞好き)に、朱色の半幅帯でお出かけ。午前中とはいえ、浴衣姿の女性もちらほらと見え、なかなかよい感じ。

浅草観音に足を踏み入れた瞬間、ほおずきの酸っぱい匂いで胸がいっぱいになる。昔、実家で立派なほおずきを植えていたのだが、それは酸いばっかりで全然おいしくなかったことを思いだした。それよりは、今でいうプチトマトをふたまわり小振りにしたような大きさの実がなる、黄緑色のほおずきが好きで、そればかり食べていたらおなかを壊したことまで思いだした。あぁ。食べ物の記憶ってすごい。

さて、浅草のほおずき市は、浅草寺の境内いっぱいにほおずき屋さんが並び、てきやさんの数も盛大なもので、本当に賑やか。ここでも格好のいい売り子のお姉さんたちが並び、華やかで粋な雰囲気。物珍しそうに見ていく、外国のお客さんもたくさんいる。新選組の法被売場の前で、買うか買うまいか真剣に悩んでいるアーカンソーのジェイソン一家や、人形焼きを買ってくれと駄々をこねる息子に困りはてた表情の上海からきた王さん一家やらも。歩いていると、アメリカ人の女性に声をかけられた。「あなた、とってもかわいいから(着物が)、一緒に写真をとってくれない? オクラホマの親戚のマックにも見せてあげたいのよ、ね、お願い」ということをいっていたので、仲良くフレームにおさまることに。あぁ、私のデジカメにも彼女たち一家との写真をおさめればよかった。ちと後悔。

こういう格好は、おそらく
一生する機会がないんだろうな

おまつり気分を味わいたかったら、朝顔市よりはこちらのほうが楽しいかもしれません。浅草寺の裏手では、鉢物市もやっていて、昨日売れ残ったと思われる朝顔も結構売られておりました。朝顔市に行きそびれても、ここで用が足りるかもしれません。

暑い暑いとうだりながら、お土産屋さんの長椅子に腰掛けて、缶ビールを飲んでいるとき、階上からたたたと茶色い生き物が勢いよくおりてきた。なんだなんだと見てみたら、それは立派な柴犬。ぎゃー、かっかわいいっ。柴の丸まった尻尾を見ると、ちにゃーという気分になりますよ。

しかし、台東区ってのは、ビーチサンダルを履いた女性が似合う街でもありますなぁ。

2004.07.10
KIMONO MICHI −キモノミチ−着物道−きものみち−2003-2005