1.90〜100cm程の長さの型紙を木枠に固定します。
2.その木枠を白生地の上に置いて防染糊を付けていきます。
この作業を型付けをするといいます。
型付け
一回目の型付け後、木枠を上げ、型紙の長さ分の生地を折り返します。
折り返した生地の上に木枠をセットし、二回目の型付けをします。
以降、同様に一反(約12m)の長さ分、型付けをします。
型付けの終わった反物は型紙の長さの屏風だたみになっているため、
柄は一型ごと表裏反対になっています。 |
3.防染糊のすれを防ぐため、型付けされた生地の上におが屑をかけます。
4.編目状の注染台の上に型付けされた生地を置き、
80度以上に煮沸した染液をじょうろ状の器具で注ぎ、
しばらく浸した後、真空装置で染液を一気に吸引します。
5.生地を裏返して4の工程を同様に行います。
これで繊維の中まで染液が浸透するため、プリントとは違う
表裏全く同じ染め上がりになるのです。
6.染め上がった反物を水洗いして防染糊を落とした後、乾燥させます。
元来、ゆかたは「長板中形」と呼ばれる、江戸時代中期末頃より行われている
技法で染められており、これは表裏寸分違わずに型付けをするという、熟練の
技を要する大変手間のかかるものです。
そこで柄は大胆になりますが「長板中形」の味わいを感じさせる、より簡単な
方法が大正時代初期に考案されました。それが現在ゆかたの染色法の主流を成
す「注染」です。
「注染」は「長板中形」より簡単とはいえ、機械による大量生産のプリントの
ものと違い、職人の技を駆使する手仕事で一反々々制作されます。しかし、そ
の染色法の特性から折りたたんだ生地端の部分に防染糊がたまり、型継ぎがス
ムーズでなかったり、染料の状態によっては染斑ができてしまうというような、
手仕事ならではの難点が間々生じることも否めません。
「注染」の名称は、染液を注ぎかけるというその染色法に由来しています。
以上、綿絽の浴衣にはさまれていたしおりから全文引用。
2004.08.05
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