一拍おいて、下着問題解決編。
和装ブラなんていらないわ!と公言してはばからなかった私でしたが、ある日のこと。
そういうことにこだわらないと思っていたロック好きなキモノ友達女子が、胸元すっきりに着物を着ているのを見て、む、むむ、と。もともとオシャレな着こなしをしている人で、ちょっと意外な質感の組み合わせでも、その着物姿のいちいちがぴしりぴしりと決まっている。しかし、ある時、あるしぐさから、この人は結構メリハリのあるナイスバディー系の人じゃないかと気がつき(だいたい洋服姿を見たことがなかったし、あろうことか本名も知らなかった)、思い切って『下着はなんですのん?』と聞いてみた。
「和装ブラよ」
あっさりとしたその返球に、やられたっ、と思わずココロの中で舌打ちを。この人のおしゃれさというのは、きちんとした基本の上に立脚したものだったのかと改めて感じ入る。
「和装ブラって『さんび』さんのああいう高いやつなんですのん?」
「いやぁ、ネットで、3000円くらいのがあるんですよ」
ほがらかなその答えに、その日の夜、早速googleで検索。 最上位表示されたそのページを見てみたら、和装ブラを買う必要があることを甚く認識。 帯の上にのっかった若々しく見えない胸の写真に愕然。浴衣の写真なので、下着も、浴衣地も薄いものだとはわかるけれど、これじゃぁあんまりだ! ガガーリン! ピッタリ系キャミソールとワイヤー無しブラジャーで、胸を平坦にしてきたつもりだったけれど、脇から見れば胸が帯の上にのっかり、正面から見たら帯の脇に胸がはみ出て、なんて美しくない姿で二回の夏をすごしてきてしまったんだろう。
「皮など余っていない! 皮など余っていないのよぅ!(HIGUMARION2005-0110)」と叫びながら、とりあえず、一枚和装ブラを買ってみました。注文したその次の次の日に届きました。
つけてみました。まるでまるでゼッケンのよう。ゼッケンの中に胸を平たく入れ込むめに、乳の位置を調整。寄せてあげての全く反対に、均して均して平べったくする。
襦袢を着てみました。左の胸が大きいのか、いつもは着物を着たときに左側だけ半襟が大きく空いてしまうのだけど、今回はそれがなく左右丁度いい巾になりました。
着物を着てみました。その襟の出具合に満足しつつ、帯を締め、鏡の中の自分を見ました。とりあえず、帯の上に出る胸の影は消えました。
すすすすすす・すごい! あの影は消えるんだ! 消えるものだったんだ!
心なしか帯まわりもすっきりしたような気がいたします。あぁっ、もっと早く買っておけば、人形町のあの店員さんにも意地悪を言われなくて済んだかもしれないのにっ! 有事の際にはあんまりみっとものよいモノではありませんが、たった5分の有事の際(脱がす時間のことだね! というより、よく考えたら、そんな有事の際はありゃしませんでした)のために、着物を着ている数時間を犠牲にできますでしょうか? いや、できまい! できないってことに決めたんですよ、ぼかぁ!
そういうわけで、「和装ブラなんて・・・・」と思っている女性がいらしたら、一度だまされたと思って買ってみてください。胸が大きい方には特にオススメします。胸元がすっきり見えるということは、それだけで相当着物姿が美しくなると思いますよ。
はい、あたしゃ、2004年4月には、和装ブラの値段の高さに二の足を踏んだ女でございます。よりよく、より美しくなるためなら、ま、出来る範囲のことはなんだってしますよ、ぼかぁ。
2005.2.3