八丈紀行その3 驚愕の乙千代が浜編
め由工房を出たあと、バス停にいってみると案の定最終バスが出たばかり! ぎゃふん! しょうがないからちょっと歩いてみようかと、バス通りを歩いていくと、通りすぎる車・行きかう車、すべての車中から視線を感じる。そりゃそうだ、徒歩で旅する人間なんて島の人たちは見たことないだろうから・・・・しかもそれが、あんまり見慣れない年齢不詳の女二人連れときたら、あたいだって我慢できずに振り返るわよ。
歩いていくと、古い建物に周辺の観光地図が書いてあるのを見つける。見ると、黄八丈の染め元がいくつかあるみたい。見学はできないだろうけど、見にいってみようかと歩き始めた。歩き始めた。歩き始めた。歩いた。歩いた。歩いたともさ。歩いたのだけど、どこにもそれらしい建物はない。民家の間の細い道を抜けて坂をどんどん下っていくと、いつの間にか、細い字で書かれた「乙千代が浜(おっちょがはま)海岸はこちら」と、なんだか先行き不安な気分にさせる看板が出てくる。ここまできたら行ってみるかと、気持ちを奮いたたせ、さらに歩みを進める私たち。途中見たことのないほどの成長を遂げた松や、むくむくと成長した人懐っこい猫や、写真を撮るのをはばかれるほどおどろおどろしい社を見かけたりしながらも歩みをやめず、風がおそろしいほど強くなったかと思うと、海が突然近くに迫り、波の音が大きくなる。カーブを右に曲がり、ぱっと、そこに太平洋の荒磯が飛び込んでくる。
えぇ、飛び込んできましたとも…
ドッパーン、ドッパーンと、見たこともない高さの波が磯を砕く荒々しい姿が…
その乙千代が浜はそこにある看板によると海水浴場らしく、磯にプールがすえつけられているのですが(それもなんだか強引な風景なのですが)、ここで家族連れが「あははは、パパー、ビーチボールなげてー」「よーぃ、いっくぞぅー!」などとほがらかにやりとりする場面などはまったく想像することのできない、見たこともない荒い、強い、海でした。などと表現すると海の人に笑われるかしら? しかしですね、久米島とか石垣島とか奄美大島とかああいった穏やかな海じゃぁないんですよ。こんな波頭高い島に、罪人を流してたの? この海じゃ誰も抜け出せないじゃないか!
というわけで、この海岸の眺めをしばし大画像でご堪能ください。
この日の夕方目にしたもののことは、私はしばらく忘れることができないでしょう。
(あとでわかったんですけど、ここはダイビングスポットみたいなのですね。)
そして情報通の島タクシー+絶品島居酒屋編に続く!(今回も長いな・・・・)
2005.5.1