和装ブラというものがこの世にはございます。
バスト=ウェスト=ヒップのようなサイズの人が、着物がよく似合うと言われてますが、現代っ子の娘たちがそんな3サイズで21世紀を生き抜くことができるわけがありません。そのため着物の着付け学校では、体を補整することをまず教わるようです。体があまりくびれないように、タオルをつめたりして補整するようですが、そりゃめんどくさい。私は胸が大きいほうなのだけど、普通の下着をつけて着物を着て歩いていました。
ある日、自分を正面から撮影したデジカメ画像を見て、ががびーんと。
胸の下に影がうつっている! トンガリブララーの立体的なフォルムが立体的すぎて、着物にはそぐわない。もひとついえば、なんだか私って胸がたれちゃってる人? 生活にくたびれちゃった人?というふうに自分の目にうつった。
確かその日は、胸の形が美しく出る様、立体的に縫製されたカップのブララーをしておりました。洋服のときなら、確かに、それは相応しい。しかし、和服だと、その乳影(ちちかげ-たった今作った言葉-)が老けた印象を人に与えてしまうらしい。
老けてる・老けていないと感じるのは人それぞれの感覚だとおもいますが、胸の下にできる影はなくしたほうがいい。ちょっとした心がけで印象がよくなるのなら、その努力を惜しまないほうがいいだろう。
というわけで、それからのわたくしは、へろへろっとした柔らかいブララーをつけることにしております。一番気に入ってるのは、ハンロのもので、てろてろーとした綿の下着で、ワイヤーも入ってないものです。肌に自然で、形も文字どおり自然に見えて、帯の上に胸の影もできず、大変よござんす。
着物のときに、『下の下着はつけぬもの!』としてらっしゃる人もいるようです。下の下着をつけずに着物を着ると、そのためすべての所作が細やかに女らしいものになる、というのですよ。
それは確かに日本の女として、生きざまとして、大変美しいことだとおもうけど、アウターにひびかない下着を探してつけたほうが合理的だとおもうわ。だってむり! いろいろがっ! まー、そのような奥ゆかしい心掛けの女性は、間違っても米倉涼子のようにバッサバッサと歩いたりしないでしょうね。
なにはともあれ、日本製の超高機能・働くお姉さん向けブララーは、着物のときにはつけるな、という話でございました。
2003.6.3
|